丹沢の塔ノ岳に登ってきました。

塔ノ岳に登るのは初めてなのですが、人もたくさん来ているし、道もほとんど迷うことはないとのことで、今回は単独で行ってまいりました。もちろん地図と磁石は持参していますよ。
新宿から小田急線で渋沢駅まで行き、そこからバスに乗って登山口がある大倉へ。終点でバスを降りると既にたくさんの人がいて、身支度を整えたり準備体操をしたりしていました。秦野ビジターセンターで登山情報を見てみると、積雪は先日の雨でなくなったとのこと。念のため6本爪のアイゼンを持ってきましたが使用しなくてもよさそうです。

さて、地図で登山口を確認しましたが、少し不安だったので人の後をついていくことに。無事登山口に辿り着き、いよいよ登山開始です。
林道をしばらく歩いて、観音茶屋を過ぎたところに分岐がありました。道しるべには左に行くと展望所があるようと書かれていました。700m先で塔ノ岳のルートと合流するようなので、ちょっと行ってみることに。パノラマ展望?というような場所があったのですが、あいにくの天気で眺望はいまいちでした。残念。

しばらく歩くと水場がある小屋がありましたが、小屋は営業していないようでした。外にある木のテーブルで数人のおじさんが休憩していました。ここで飲み物を飲んで一息つきます。小屋の脇の狭い道を通ると、キャンプ場がありました。さらに先へ進んでしばらくすると、塔ノ岳へ行くルートと合流。

出発してから40分ほどで見晴小屋を通過。この辺りから傾斜が徐々にきつくなってきました。木の階段が続き、一歩一歩ふみしめるように登っていきます。ペースもゆっくりになり、全身汗だく。途中で、毎週丹沢に来ているというおじさんと、歩きながらしばし歓談。今日は曇っていたので「いつもはここから富士山が見えるのになあ、もしかして雨女?」と言われました。うーん、確かに単独で来る時は、あまり天気が良くないような・・・。いや、気のせいに違いない!

見晴小屋から約1時間40分、急な傾斜を登り続け、ようやく花立小屋に到着。辺りの景色は、ぼんやりとした山並みが見えるくらい。そして、めちゃくちゃ寒い!少し先へ進むと広場があったので、そこで休憩をしました。冷えたミカンが美味しい〜。
凍った地面がとけて少しぬかるんだ道を歩き続けます。ぬかるみがなくなったところで、ふと前方を見ると、どんよりした空の中、塔ノ岳の山頂が見えます。空からチラチラと白いものが舞ってきました。ゆ、雪が降ってきた〜。どうりで寒いはずです。この間の御前山といい、雨女じゃなくて雪女だったのかしら。

金冷シの分岐で、塔ノ岳まであと0.6kmの表示が。そこから15分くらいで山頂に到着しました。ふもとから山頂まで約3時間でした。山頂は恐ろしく寒い。近くにいた人にシャッターを押してもらい記念撮影。これで証拠はばっちり。辺りをきょろきょろしていると、樹氷になりかけている木があったので、写真をとろうと近づいたら、短パンにポリタンクをかついでいる人が登ってきました。写真では見たことがあった、塔ノ岳のチャンプで有名なボッカの人だとわかり、こんにちはと挨拶をしました。今日は水を運んできたのだそうです。この寒いのに、あの出で立ちは素敵だわ〜。

持って来たお湯でココアを作って、それを飲みながら昼食。いつもは半分しか食べないけれど、今日は一度で完食しました。お腹も満たされたので、いざ出発。
登りはきつかったけれど、下りは思っていたより歩きやすく感じました。途中、戸沢での分岐で一度立ち止まって地図をみていると、後ろからきた年配のおじさんが大丈夫ですか?と声をかけてくれました。大丈夫ですと声をかけたあと、しばらく話をしながら一緒に下っていきました。

おじさんは、丹沢へは晩秋から鍛錬のために訪れているそうで、しょっちゅう登りにきているとのこと。下っていく姿からして歩きなれている様子でした。話好きの方で、色々な話をうかがいました。いい機会なので、丹沢山蛭ヶ岳、鍋割山など周辺の様子などを教えてもらったり、他にもよく丹沢を訪れる人達の話を聞きました。とっても楽しかった〜。

途中、私だけ堀山ノ家で休憩しました。ここでバナナを食べました。このバナナが冷えていて、またうまいんだわ。5分位休憩してから出発。少しゆるやかになった坂を歩いていると、ガサガサッという大きな音が。なんだろうと思って辺りを見渡すと、1匹の鹿がこちらをじーっと見ていました。
おお、これが話に聞く丹沢の鹿か!と、じっくり眺めていました。鹿は逃げるそぶりも見せず、草を食べておりました。横を通り過ぎるときに、もう1度林の方をうかがうと3匹おりました。子連れだったのかな?

分岐の手前で、先ほどのおじさんと再会。今度は、大倉までご一緒することに。若い頃の武勇伝を聞かせてもらいました。無事に大倉まで戻ってきて、靴の汚れをおとしてバスに乗り込みます。隣に座ったおばさんも1人で登りにきた方で、若い頃にたくさん登った方がいいわよと言われました。渋沢の駅まで、ツアーで行った山登りの話とか色々教えてもらいました。

今日は、たくさんの人と出会うことができ、動物にも遭遇し、チャンプにもお会いできて、なんだかすごく充実した山登りでありました。今度は鍋割りの方まで行ってから下ってみようっと。